ドルチェヴィタ

キムラさん観察記。

--------------:--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2009-06-26-Fri-12:20

雨と共に来た。3.

ICWRについて考えるとき、どうしても<eroticism>に言及せざるを得ない気がします。
(*ヘンな単語検索にひっかからないよう英語表記にしてみました・笑・・・ムダですかね?)

<人体を使って作品を作る>ハスフォードの美的感覚を借りて少し誇張表現されてたけど、
ICWR自体、実は『美しい男性の肉体を痛めつけて作り上げた作品』だと思うのです。
でもその感じをどれくらいの人がまっすぐに受け止められるだろう?
完璧な肉体への羨望と、それを傷つけることによって引き起こされるサドマゾヒズム的eroticism。
苦痛と恐怖(狂気)に晒されながら、<汚染されて>しまわない絶対的な強靭さを持つ美。
やはりそれは、メジャーな感覚ではないと思うんですよ。
あまりにもあからさまだし。
だから、忌み嫌う人がいるのもすごくわかるし、当然なのかもしれません。

肉体的なそれはクラインが表現しているんでしょう。
冒頭、ハスフォードに徹底的に傷めつけられる均整の取れた肉体。
自然で健康的でバランスのとれたそれに、消すことのできない忌まわしく醜い傷跡をのこす。
冒涜的で残酷な行為への誘惑から、あのシーンが生まれたのじゃないかという気がします。
それは、ハスフォードの<やり方>に現れているんじゃないかな。
単に相手を挑発し、自分を撃つよう差し向けるだけにしては、非常に念が入っている。
シーンの構成も、二人のポーズや細部までくっきり際立たせた映像も、
細心の注意と綿密な計算で、見る者にある種の強烈な印象を植え付けるようとする意図を感じる。
作品中何度もでてくるクラインのむき出しの上半身。
そのたびに、彼の左上腕部の<痕跡>を確認せずにはいられませんでした。

Shitaoは精神的なそれを象徴している。
華奢でアジア人らしい年齢不詳の可愛らしさと美しさを兼ね備え、
精神の均衡と強さをあからさまに感じさせる瞳をもった彼を見たとき、
『この均整のとれすぎたバランスを苦痛と汚辱で壊してみたい!』という誘惑に駆られたのかもしれない。
Shitaoは性をめぐる諸々からはいちばん遠い人だけど、
再生シーンといい、磔シーンといい、血と泥に塗れたeroticismを感じてしまう。
清潔でしなやかな心と体を徹底的に踏みにじってみたい、という欲望。
しかし、それで汚染されてしまうようでは、単なる汚いモノになってしまう。
無茶苦茶に汚されても、なお光り輝く精神性が浮き彫りになってこそ。
血を流したり泥にまみれるシーンで常に<白>を身に纏ってるのは、
汚染を際立たせる効果と、彼が本来<真っ白で穢れない>存在であることを暗示しているような。

しかし、描かれたeroticismは苦痛と破壊の衝動だけではありません。

Shitaoと出会う前のクラインやドンポ、さらにハスフォードも含め、
その住居は全て閉鎖された空間で、窓の存在が感じられず、空気が淀んでいる。
食べ物もインテリアも、全てが生命力や新鮮さを失っている。
ドンポの住居にしても、豪華である種の鋭い美的感性は感じるものの、水にも金魚にも花にも、
そこに存在する人たちも、命のパワーを感じない。

対比して。

Shitaoと彼の居る空間は常に浄化されている。
ジャングルの奥深く、スピリチュアルなパワーを感じさせる植物たちに抱かれた秘密の産屋で、彼は再生する。
香港の荒地の小屋には窓も扉もなく、常に外の光が入ってくる。
軒先には、葉の茂ったイチジクのような木が美しい緑のシェードを作っていた。
植物の生命力と彼が溶け合い、シンクロしてるような光景。
水。
再生シーンで血と泥を洗い流した天上から滴り落ちてくる洗礼の水。
リリの髪を洗い、彼自身の傷ついた体を洗い清める水。
傷から真っ赤な血を流すからだを、緑と水の力が癒し、浄化し、再生する。
そこに、生々しい肉体が発するのとは全く別の、水に同化し流れだし、植物になって光を受取るような、
生命力そのものと一体化する肉体が放つ、eroticとしか言い様のない、不思議な恍惚感を感じてしまうのです。

彼の登場するシーンが、その悲惨な姿と運命にも関わらず、不思議なほど明るく涼やかなのはそのためかも。



拍手レスです。

3回目行きましたか!
見るたびに新たな発見をしたり、前とは違う感慨を抱いたり、印象の変わっていく作品だよね。
ドンポとShitaoが対峙したときの、あの子犬目線は確かに凄い!
なぜあそこであんないたいけな瞳を見せるのか!?
そして、その瞬間を的確な角度とライティングで切り取った監督とスタッフ・・・素晴らしい。


コメレスです。

はじめまして八○○○様。
はい、ちゃんとシークレットに設定されてましたよ。
ありがたいお言葉・・・・・えろ冥利に尽きます!>え?
なんかね、ICWRって誰かと語り合いたくなる作品ですよねー・・・。
人によって感想も見方も違ってて、十人十色で。
だから未完成だと思う人もいるかもしれませんし。
ある意味とても大らかな作品じゃないかなー。
あ、受ける印象は大らかとは程遠いかもしれないですけど(笑)


スポンサーサイト
HOME NEXT
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。