ドルチェヴィタ

キムラさん観察記。

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2009-10-15-Thu-19:51

拾いもの(ちょこっと追加)

PIFFの記事を探しているうちにICWRのレヴューを発見しました。
ハングルが全くわからないアタシにとって、これは初めて読む日本人以外の方のレヴューです。

「クラクラするような映像が、プロットの薄っぺらさを忘れさせるスリラー」との見出しで。

トラン監督のように一定の評価を得た人が敢て人間の腐敗した側面に耽溺するような作品を撮ったこと、
国際的なスター俳優をキャスティングしたことで、(本来ならこじんまり公開される)アート系作品を
メジャーな場へ引き出すチャンスになった。とその意義について触れ、
「2時間近い間、本当に退屈させない作品。
トラン監督はその宗教的イマジネーションを大仰さに陥ることなく、なんとか作品で描ききった。
所謂「よく出来た」映画ではないけれど、2009年度においてもっともアグレッシブな雰囲気を持つ作品の一つだろう」と。

キムラさんについては、「今までTVでやんちゃなヒーロー役を得意としてきた彼にとって、
不評を買う危険性があったけれど、自分に科せられた責務をきちんとやり遂げている」と。
(『あたかもコンクリート・ジャングルで働く子羊のように、激しさを内に秘めた(演技)』と書かれています)
Hollywoodreporterというサイトです。


日本の評ではどちらかというと「気持ち悪い」「わけがわからない」「悪趣味」という、感情的な反応が多かった気がします。
特別好意的なわけではないですけど、↑のレヴューは感情的な反応とはまた違う次元の評価をしていて、
個人的にはかなり<フェア>な印象を受けました。

しかし著者が妙に日本のドラマ事情に詳しいなぁ。
どうもライターの方はアジア圏のドラマや映画に精通してる人のようですねぇ。

と思ったら、asiatvforumも同じ記事が。
こっちのが元かもしれません。



2009-10-03-Sat-08:37

いろいろ雑感。

見てないけどついに制作発表あったって?
佐渡先生=高島さん???????????
もー笑うしかないっすね(爆)(爆)(爆)

キャストがマトモではあるが、えらく年齢層高いなぁ・・・・。
リアル世代をターゲットにしたんだろうなぁ・・・・。
次はShitao並のモエ仕事があればいいんですけどねー。
ミチー&SMAPのキ○タク、の役割り分担がある限りは難しいかなー。
なんとなくですが。
慎重に選びぬいた凝った企画(塚、金のかかった企画ともいう・笑)ほどツマラン印象が(以下略

さて。

映画といえば。
昨日某シネマで久々にICWRを見ました。

改めて見て思ったこと。

『こりゃイパーン受けするわけないよな。』

やはり難はあるんですよ(ハスフォード処刑のくだりが長すぎたとか)。
テーマに共感しにくいだけでは納得できないわかりにくい部分・・・
もしかして編集で失敗したんじゃないか?みたいなところも散見されます。
(娼婦とメン・ジーのシーン~暗殺者のシーンとか全くもってわかりにくい)
ので、人によってはキモいだけの駄作だと判断されても仕方ないかもしれない。

でも本当に好きな映画です、個人的には。
音楽も色彩も美しいし。
役者さんは本当にいい演技してますし、主要キャラの男3人がそれぞれ対峙するシーンは、
どれもこれも秀逸でそれぞれの心理描写も台詞も、細やかですばらしいです。
なんでコッチに重点をおいて編集しなかったんでしょうねー???
確実に作品全体の<映画的>魅力が増したと思うんだがなー。

しかし。
そういう部分をすっ飛ばして、結局自分の描きたいことに執着した監督の情熱に圧倒されました。
蛇足とも思えるハスフォードの自己陶酔の極地の長台詞がないとメッセージは伝わらないと
彼は判断したんだろうなぁ・・・・。
こういう作品を見ると、このテの映画は、最終的には作家(=監督)のものなんだな、と。
もちろんたくさんの人の協力と資金があって初めて成立するものですが。
エンターテインメントとしての商業ベースの映画とは、そもそもの発想からして別物なんですよね。
(それを敢てスターを使ってやることの意義には賛否あると思いますが)

そうそう。

久々に見たShitaoはまるで小さなコドモのようでした。
ちょっと舌ったらずな英語といい(名門大学出身の青年にしては・笑)、半裸の女と絡んでも、
全く性的な匂いのしない不思議さといい。
ミンダナオの秘密の洞窟で再生した彼は、この先の長い長い苦痛に満ちた生の中で
徐々に成長するのかもしれませんね。



拍手コメレスです。

> Shitaoの英語可愛かったよねぇv 動きもあどけなくて、ホント子供みたいで可愛いの。毛布の包まり方も可愛いかった

もうね。ワタクシの脳内では<Shitao=可愛い>でございますよ。
動き、可愛いよね。リリに水飲ませててガブっとやられて痛がる!!とか、
リリが夢中で食べててこぼれたムラサキイモをちまちま拾って食べてるとか(笑)
あれはリリでなくても『このコをどーにか守らねばっっ!!』って気になりますよ。


>確かに難アリの映画なんだけど、だからこそ愛おしいと思うのかも知れません。

「よく出来た作品」が必ずしも「愛しい作品」ではないということを思い出させてくれました。
(『一分』の数十倍『ICWR』に愛着があったりする)
未完成?と思う部分も散見されますが、そこがまたいろいろ考える余白になるんだよね。
またトウキョウのどこかで上映されたら行ってしまいそう(笑)
そしてDVDが出たら速攻予約して高くても買いますっ。
(だからメイキング&インタをたくさんつけて栗)



拍手レスその2.

>メン・ジーが殺されそうになるシーンは、単にショーン・ユーの殴られて腫れた顔をスクリーンに乗せたいから…」というのが監督の動機だったりして!?

あー。
究極のSですからねカントク。(←勝手に決めつけ)
個人的には「パラベラム、9mm。いい弾丸だよ。」この台詞を言わせたかったのかなー、と。
あと、9mm弾の<意表を突いた>使用方法(えろ杉だろー。アレは殴るわな。)
相手役の女子の美貌がアレでしたが(笑)あのシーンは音楽も色彩もアングルも、
フィルム・ノワールっぽくてカッコイイですから~。


>監督自身のモエとストーリーの妥当性のバランスをどうとるのか、興味あります。

綺麗な男が傷ついて生々しい(脳氏のそれのような鮮明な色ではない)血を流す様。
それをスタイリッシュで容赦ない映像で切り取ること。
その辺りに監督のモエ(というか、美学)があるような気がします。
・・・時にはストーリーの整合性を犠牲にしてでも(;´∀`)


あ、そうだ。
ムービーウォーカーの上映スケ表チェックしたら今も全国のミニシアター系でぽつぽつ上映してるね。
もしまた見たい!!!
・・・って方はマメにチェキしてみたらどうでしょーか?

2009-09-23-Wed-23:46

祝・ぷーさん。

釜山の映画祭に行くんですねー。
ICWRで。
そりゃー当然、髪を黒く染めて短くして、<世界最大の製薬系財閥のおぼっちゃま>仕様に戻さなきゃ。
お休みが取れたからといってヤキいれちゃーいけませんことよ。
今はホームレスといえども、元・セレブだからねっ!!

トラン監督もジョシュも、もちろんビョン様もいらっしゃるわけでしょー??
ぜひぜひ、日本でもその模様をオンエアしていただきたいなー。
来日時のイイ雰囲気が忘れられないの・・・・。
特にジョシュとキムラさんのいちゃいちゃ息のあったやりとりが。
個人的に、ICWRのキャラクターの中で一番感情移入できたのがクラインだったこともあり。
ジョシュの繊細でストレートに痛みの伝わってくる演技があってこそ、でしょ?
日本のメディアの報道は主役のジョシュに対して失礼千万で、残念だったし、恥ずかしくもあったし。
(まぁ、アタシが恥ずかしがる必要もないがw)
あと、監督へのインタもあんなだったしねー。ほんと、いろいろ失望させられましたが。
PIFFではどうかしら。

本国フランスとジョシュのホームベース/合衆国でも上映できればいいんだけどね。
アジア人がジーザスを演じることや、ハスフォードが代弁した<苦痛の美学>の部分が、
欧米的道徳観念から見て、うーん・・・難しいかもしれないね。
ホラー映画、ってくくりにしちゃえば、クリアできるかもしれませんが、それにしては観念的過ぎるか・・・。
ああーーーーだめだ!!!
ICWRのことを考えるといろいろまたいまだにのめりこんでしまうのですわ。
また見たい。
DVD、いつ?
あ、いっそニッポン・カンコク・ロシアでのインタ&映像をまとめて、特典DVDにしちゃえばどうでしょうか?
もちろん、撮影中のお宝映像満載で。
普段の優しげなお顔からいきなり鬼のよーな表情でSMご無体な要求を突きつける監督と、
きっちりそれに応えつつ、カメラの向こうから挑発するキムラさんの映像が見たいですぅ。

てなことで。
最近見た「すげーーーーーー!!!!」な映像。
またまたRadiohead(=レディオヘッド)でスイマセン。
前から好きだったのですが、ICWRで使われたことで、イモヅル式に過去へ過去へと遡り・・・・・。
何となく買ってなかったDVDにもどんどん手を出してます。
(だってキムラさん関連でモエがなさ杉だから←言い訳)

Radiohead THE BET OF
ザ・ベスト・オブ [DVD]ザ・ベスト・オブ [DVD]
(2008/05/28)
RADIOHEAD

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彼らのミュージックPV集です。

いやー・・・・とにかく面白い。
ショートフィルムあり、アニメあり、CG駆使しまくりの超絶映像あり。
もともと実験的映像作品が大好きで、20代の頃はそのテの映像やたら見てたもんで・・・。

口では到底説明できましぇん。
とにかく、見るしかないです。
特に気に入ったのは

*JUST
*KARMA POLICE
*NO SURPRISES
*I MIGHT BE WORNG
*THERE THERE
*STREET SPIRIT[fade out]

のPVかなー。
特にKARMA POLICEはD.リンチを連想する色彩とブラックな味わいで超絶完成度。
マジで感動しましたー。
つべでタイトル入力すると見れます。
興味を持った方、ぜひどーぞ。


キムラさんもなんかこーゆう、オモシロくて新鮮で、「考える前にパワーに惹きつけられて目が離せない!!」
・・・みたいなコト、やんないですかー??
懐古趣味もいいけど(ホントは良くないけど!)、ソレはアナタの<その先>に繋がりますかー????

カッコよくて有無を言わせないパワー。
そういうの、今のニッポンにゃ必要だと思いますしー。
余力のあるうちにやってほしいなぁ・・・・・。


拍手コメレスです。

>ちょっと前からのわっつを聞き返したらね映画とってすぐや、公開直前のもあって、例の音楽が流れ、
>いいシーンだけがよみがえってきて、音楽ってすごいと思いました。

そうなんですよ。
映像作品における音楽の役割を久々に、心から考えさせられました。
個人的見解ですが、<映像>に拘りのある監督さんは<音楽>にも同じくらい拘りがある気がします。
キムラさん関連では『ハウル』がそうだったなぁ・・・。

>でも、全編はもう見たくないので、3人が並んでるとこだけ見たいです、私。

わはは。○さんらしいっ!!
アレはやっぱ、好き/嫌いまっぷたつの作品だと思うし、それでいいとも内心思ってます。
てかICWRが大ヒット!!するような世の中ってどんなよ?・・・みたいな(笑)
でも、もっと正当な評価を下してほしかったなぁ。
宣伝の仕方もふくめ、ある種不当な扱いじゃないか、という気がしてなりません。


拍手レスその2.

>キリスト狂信国家らしいね。

そうでがんす。
未だに一部では『天動説』やら『神は七日間で世界を作った』やらを学校で教えてるよーな国でやんすw
政治的立場や人種問題と複雑に絡み合った側面もあったりして、日本人には最も理解し難い部分ですな(;´∀`)
や、日本にも政教分離のタテマエなのにそれはいいのか?みたいな部分もありますが、やはり緩いっすよね、根本的に。
いいのか、悪いのか。


>木村くんの、とことん作り込んだPVみたいな感じの映像見たい!

うん。
彼はさ、なんつーか、アタマでは「???」と思ってても、カラダで表現できちゃう部分があるから、
それがいつも想定外なオドロキを産むんだよねー。


>「気恥ずかしさ」を見る者に感じさせてどうするっていっつも思う。

気恥ずかしさ、ってーのは美しくないと思う。
特に映像で表現する人的にはダメダメですよね。
まぁ、それをウリにしてる人も中にはいたりなんかするんですが、アタシはキライですね。
塚、カコワルイのはヤだ。





2009-07-06-Mon-21:29

I'm not afraid of you. You don't know what I've done.

4回目見に行ったHTです(笑)

新宿のとあるシアター。15:20からの上映。
全部で50席くらいのキャパ?スクリーンも小さめですが、40人弱お客さんがおりました。
今回は冷静に距離を置いて見れたといいますか、スクリーンが小さいせいか、一目で隅々まで見渡せました。
(今までは個々のキャラの表情にばかり目を奪われて全体の画面構成までよく見えてなかったのですね;)
この作品、見てる間中ものすごく不安感というか、独特の居心地悪さがあるじゃないですか?
やっぱね、画面の切り取り方や光のあて方がものすごく計算されてるんですよね。
冒頭、不安感をあおる汚れた青緑色の物体。そこに、かすかな人の呼吸音。
ゆっくりと左のフレーム外から、若い刑事(クライン)の横顔が入ってくる。しかも、中途ハンパな角度で。
パッと画面が切り替わると、なにやら修行僧めいた中年の男のドアップ。
それも、わざと人物は画面の片側に寄せられて、不快な青緑の汚れた壁面が映っている。
これだけで見てる側になんか収まりのわる~い居心地の悪さを感じさせるんだよね。
同じシチュエーションで、クラインがハスフォードを撃つ直前のシーン。
陰鬱な壁面をバックに浮かび上がる、白く輝くクラインの肌。
クラインが<汚染された>聖なる肉体を持つ受難者(ハスフォードが永遠に消えない傷跡をつけた)、として
描かれていることを再確認したのでした。

ところで。

今回字幕だけでなくところどころ単語を聞き取れた部分があって。
Shitaoの父がクラインとの会見のとき、「汚染されるのを避けるために」みたいな意味のことを語ってましたが、
このときcontaminateという言葉を使っていて、「(薬物や放射能による)汚染」の意味なんですけど、
クラインがメン・ジーに「27ヶ月彼を追ってるうちに(ハスフォードと)同化してしまった。」の、<同化>の部分も
contaminatedと聞こえたんですが・・・・。
そうすると、むしろ、「ハスフォードの考え方・感じ方に<汚染>されてしまった。」のニュアンスなのかな?と。
とすると、トラン監督が某所のインタで語ってた「クラインは<汚染>を取り除きたいと願っている。」ってのはつまり、
そういうことなのかなぁ、と。
Shitaoを見つけ出し、助けることが、彼の<汚染>を取り除くことに繋がる、って意味が具体的になるな。
・・・・でも、アタシの耳はあんまし信用できないからなぁ。
だれかヒアリング得意な方、いませんかぁ?←人任せ;

もう一つ気になったことが。

これは意味をどう捉えるか?って部分のこだわりにすぎないんですけど、Shitaoを磔にするとき、ドンポは彼に
「I'm not afraid of you.You don't know what I've done.」っていい放つんですが、
訳は「おまえなど恐れていない。オレは地獄を見てきた。」なんですよねー・・・。
まぁ、意訳としてはぜんぜん間違ってないけど、どっちかってーと、
「オレがどうやって生きてきたか、お前なんかにわかってたまるかよ!」的ニュアンスじゃないかなー??
つまり、ドンポはShitaoに内面を見透かされたことがわかってて、強がってるっていうか、そういうニュアンスに
感じられたんですよ。

全く同じ台詞(「I'm not afraid of you.You don't know what I've done.」)をクラインがドンポに吐くんですけど、
こっちはまさに、文字通りの<地獄を見てきた>男ですから、I've done.の重みが違う。
そのときのクラインの、一種悟りを開いたっつーか、キモの座った男の爽快感さえ漂う表情。
ドンポは彼の言葉にハッとして、Shitaoに同じ言葉を吐きながら、心の底を見透かされ動揺した自分と比べ、
失うものすらなにもないクラインの、ある種の虚無感からくる透明な強さに気圧されてShitaoの居場所を教えた、と。

でもほんとに難しいです。
訳が同じじゃないと見てる側には二人がいみじくも同じ言葉を吐いたことが伝わらないですし・・・。
言い回しによってまったくニュアンスの違ってくる英語という言語の性質を、日本語に直すときの壁を、
感じたのでありました。

あれれ?
なんか2つ書いただけでこんなに長文に・・・・。

ってことで、今日はここまでにしときますぅ。


拍手レスです。

ヒアリングって耳の良し悪しが大きいような・・・。
なんせアタシは日本語の歌詞でさえマトモに聞き取れなかったりする驚異のダメ耳の持ち主(つД`)・゜・
でもヘルスチェックでは「異常なし」だそーなので、脳ミソの音を解析する部分に欠陥があるのでは・・・と疑っていますです。


2009-06-26-Fri-12:20

雨と共に来た。3.

ICWRについて考えるとき、どうしても<eroticism>に言及せざるを得ない気がします。
(*ヘンな単語検索にひっかからないよう英語表記にしてみました・笑・・・ムダですかね?)

<人体を使って作品を作る>ハスフォードの美的感覚を借りて少し誇張表現されてたけど、
ICWR自体、実は『美しい男性の肉体を痛めつけて作り上げた作品』だと思うのです。
でもその感じをどれくらいの人がまっすぐに受け止められるだろう?
完璧な肉体への羨望と、それを傷つけることによって引き起こされるサドマゾヒズム的eroticism。
苦痛と恐怖(狂気)に晒されながら、<汚染されて>しまわない絶対的な強靭さを持つ美。
やはりそれは、メジャーな感覚ではないと思うんですよ。
あまりにもあからさまだし。
だから、忌み嫌う人がいるのもすごくわかるし、当然なのかもしれません。

肉体的なそれはクラインが表現しているんでしょう。
冒頭、ハスフォードに徹底的に傷めつけられる均整の取れた肉体。
自然で健康的でバランスのとれたそれに、消すことのできない忌まわしく醜い傷跡をのこす。
冒涜的で残酷な行為への誘惑から、あのシーンが生まれたのじゃないかという気がします。
それは、ハスフォードの<やり方>に現れているんじゃないかな。
単に相手を挑発し、自分を撃つよう差し向けるだけにしては、非常に念が入っている。
シーンの構成も、二人のポーズや細部までくっきり際立たせた映像も、
細心の注意と綿密な計算で、見る者にある種の強烈な印象を植え付けるようとする意図を感じる。
作品中何度もでてくるクラインのむき出しの上半身。
そのたびに、彼の左上腕部の<痕跡>を確認せずにはいられませんでした。

Shitaoは精神的なそれを象徴している。
華奢でアジア人らしい年齢不詳の可愛らしさと美しさを兼ね備え、
精神の均衡と強さをあからさまに感じさせる瞳をもった彼を見たとき、
『この均整のとれすぎたバランスを苦痛と汚辱で壊してみたい!』という誘惑に駆られたのかもしれない。
Shitaoは性をめぐる諸々からはいちばん遠い人だけど、
再生シーンといい、磔シーンといい、血と泥に塗れたeroticismを感じてしまう。
清潔でしなやかな心と体を徹底的に踏みにじってみたい、という欲望。
しかし、それで汚染されてしまうようでは、単なる汚いモノになってしまう。
無茶苦茶に汚されても、なお光り輝く精神性が浮き彫りになってこそ。
血を流したり泥にまみれるシーンで常に<白>を身に纏ってるのは、
汚染を際立たせる効果と、彼が本来<真っ白で穢れない>存在であることを暗示しているような。

しかし、描かれたeroticismは苦痛と破壊の衝動だけではありません。

Shitaoと出会う前のクラインやドンポ、さらにハスフォードも含め、
その住居は全て閉鎖された空間で、窓の存在が感じられず、空気が淀んでいる。
食べ物もインテリアも、全てが生命力や新鮮さを失っている。
ドンポの住居にしても、豪華である種の鋭い美的感性は感じるものの、水にも金魚にも花にも、
そこに存在する人たちも、命のパワーを感じない。

対比して。

Shitaoと彼の居る空間は常に浄化されている。
ジャングルの奥深く、スピリチュアルなパワーを感じさせる植物たちに抱かれた秘密の産屋で、彼は再生する。
香港の荒地の小屋には窓も扉もなく、常に外の光が入ってくる。
軒先には、葉の茂ったイチジクのような木が美しい緑のシェードを作っていた。
植物の生命力と彼が溶け合い、シンクロしてるような光景。
水。
再生シーンで血と泥を洗い流した天上から滴り落ちてくる洗礼の水。
リリの髪を洗い、彼自身の傷ついた体を洗い清める水。
傷から真っ赤な血を流すからだを、緑と水の力が癒し、浄化し、再生する。
そこに、生々しい肉体が発するのとは全く別の、水に同化し流れだし、植物になって光を受取るような、
生命力そのものと一体化する肉体が放つ、eroticとしか言い様のない、不思議な恍惚感を感じてしまうのです。

彼の登場するシーンが、その悲惨な姿と運命にも関わらず、不思議なほど明るく涼やかなのはそのためかも。



拍手レスです。

3回目行きましたか!
見るたびに新たな発見をしたり、前とは違う感慨を抱いたり、印象の変わっていく作品だよね。
ドンポとShitaoが対峙したときの、あの子犬目線は確かに凄い!
なぜあそこであんないたいけな瞳を見せるのか!?
そして、その瞬間を的確な角度とライティングで切り取った監督とスタッフ・・・素晴らしい。


コメレスです。

はじめまして八○○○様。
はい、ちゃんとシークレットに設定されてましたよ。
ありがたいお言葉・・・・・えろ冥利に尽きます!>え?
なんかね、ICWRって誰かと語り合いたくなる作品ですよねー・・・。
人によって感想も見方も違ってて、十人十色で。
だから未完成だと思う人もいるかもしれませんし。
ある意味とても大らかな作品じゃないかなー。
あ、受ける印象は大らかとは程遠いかもしれないですけど(笑)


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